バレンタインシーズンになると、「ボンボンショコラ」という名前をよく耳にすると思います。ボンボンショコラとは?をガナッシュ プラリネなどの用語と合わせて紹介します。
目次
1. ボンボンショコラとは?
みなさんは「ボンボンショコラ」と聞くと、何をイメージしますか?
ウイスキーボンボンのようなウイスキー入りなど、お酒が入ったチョコレートを連想する方も多いのではないでしょうか。
ボンボンショコラは、中に詰め物(フィリング、センター)が入った、一口サイズのチョコレートのことです。フランス語では Bonbon de chocolat と書きます。
ですので、実はウイスキーボンボンは、ボンションショコラの中でもほんの1種類のジャンルを指しているだけなのです。
それなのに、「ボンボンショコラといえば、ウイスキーボンボン!」と考える方がまだまだ非常に多く、毎年のバレンタインの盛り上がりとは裏腹に、チョコレートの正しい知識がちゃんと知られていない現実があります。
「本当に美味しいボンボンショコラを、ちゃんと知ってほしい…」これこそが、チョコレートブランド「ひとくち -HITOKUCHI-」代表の荻曽が創業したきっかけでもあります。
こちらの記事では、「ボンボンショコラとは?」を中心に、ガナッシュ、プラリネ、マジパン、ジャンドゥーヤ(ジャンドゥヤ)の違いや、ガナッシュ誕生のきっかけ、ボンボンショコラがつやつやな理由などをご紹介します。
2. センター|ガナッシュ、プラリネ、ジャンドゥーヤ(ジャンドゥヤ)、マジパンの違い
さきほど、ボンボンショコラは、中に詰め物(フィリング、センター)が入った、一口サイズのチョコレートのこととご紹介しました。
詰め物(フィリング、センター)と言うからには、詰め物を包むコーティング層があります。
コーティングには大きく分けて2つの製法があります。
ひとつめは型を使ったモールドタイプ。型を使っているので、さまざまな形状や複雑な模様が特徴です。
もうひとつは、エンローバーと呼ばれる機械を使って溶かしたチョコレートを薄くかけるタイプ。
前者のモールドタイプはもともとベルギーで多く作られており、後者のコーティングタイプはフランスで作られていましたが、現在では同じショコラティエ、ブランドがモールドもコーティングタイプもどちらも扱うケースが多いです。
次に詰め物(センター)について。
いろいろな名称の詰め物(センター)がありますが、メジャーなものを挙げると、ガナッシュ、プラリネ、ジャンドゥーヤ(ジャンドゥヤ)、マジパンがあります。
ガナッシュは、溶かしたチョコレートと生クリームを混ぜ合わせた詰め物(センター)です。
ガナッシュは生クリームと牛乳を沸騰させた鍋に刻んだチョコレートを加え、ゆっくりと溶かし混ぜながら作ります。
使用する生クリームや牛乳の乳成分・水分の量によって配合や固さが変わります。
生クリームと牛乳を煮立てる際に、バニラを入れて香り付けをしたり、紅茶やコーヒーを入れることで香りと味を移すなどで、さまざまなフレーバーを作ることができます。
プラリネは、飴がけ(キャラメリゼ)したアーモンドなどナッツ類を細かくすり潰して、ペースト状、もしくは粉末状にしたものを指します。ボンボンショコラでプラリネというと、ナッツ類をペースト状にしたものにチョコレートを混ぜ合わせたものを指すことが多いです。
ナッツのコクとチョコレートのコクが合わさり、合わせる素材で食感を変化させることで、濃厚で多種多様な味わいをたのしめます。
さらに、特にヘーゼルナッツのペーストを使ったプラリネをジャンドゥーヤ(ジャンドゥヤ)と呼んだりします。
その他、とろっとしたキャラメル状のペーストや、ローストしていないアーモンドをすり潰してピスタチオと組み合わせたマジパンを詰め物(センター)として使う場合もあります。
3. ボンボンショコラのガナッシュ。分離を防ぐ作り方の注意点は?
ガナッシュを作る際には、「乳化」に気をつける必要があります。
チョコレートには油脂が含まれますが、生クリームや牛乳には水分が含まれています。
水と油、ではないですが、そのままでは混ざりきらずに分離してしまいます。
水分の量と油脂の量のバランスがとても大切で、レシピどおりしっかり作る必要があります。
さらに、レシピが正しくても、混ぜ方が足りなければ、流動性が悪くぼそぼそと口当たりに悪いガナッシュに仕上がってしまいます。
初めてガナッシュを作る際は、ほんの少しずつ味見をしながら、口当たりが良くなったなと思うまでしっかりと混ぜ合わせてみてください。
また、ガナッシュは通常のチョコレートよりも水分量が多くなってしまいます。板チョコの状態ですと1〜2年も日持ちするチョコレートですが、水分量が多くなると菌が繁殖しやすくなり、日持ちも悪くなります。ガナッシュのボンボンショコラは23度以下の冷暗所(夏季は冷蔵庫でしっかりと冷蔵保管)し、早めに食べるようにしてくださいね。
4. ボンボンショコラのガナッシュ。意外な誕生のきっかけとは?
ガナッシュはフランス語で Ganache と書きます。
実は、ガナッシュはフランス語で「まぬけ」「のろま」という意味を持っています。
それを聞くと、え?ボンボンショコラなのにのろま?と不思議に思うと思います。
ガナッシュ誕生のきっかけには、とある有名なストーリーがあるんです。
それは、フランスのとあるお菓子屋さんで、見習いのパティシエが誤って牛乳を作りかけのチョコレートに入れてしまったことがありました。
それを見て、親方の職人が見習いのパティシエを「ガナッシュ(間抜け)!」と怒ったのですが、牛乳を入れたチョコレートはもったいないのでなんとか商品にできないかと味見したところ、これがめちゃくちゃ美味しい!ということで、今のガナッシュ誕生のきっかけとなりました。
5. 甘すぎるプラリネチョコレート プラリネショコラ
プラリネのボンボンショコラは、飴がけ(キャラメリゼ)したアーモンドなどナッツ類を細かくすり潰して、ペースト状にしたものを、チョコレートと混ぜ合わせて詰め物(センター)にしたものです。
プラリネのボンボンショコラが難しいのは、その油脂量にあります。
ナッツ類もチョコレートも油脂量を多く成分に持つので、詰め物(センター)の油脂がコーティングしたチョコレートの表面に浮いてきてしまうことがあります(油脂移行)。
これをファットブルームと言いますが、ファットブルームが発生すると、表面が白っぽくなってしまいます。
見た目の変化だけでなく、味わいや口どけも変わってしまいます。
ですので、通常プラリネのボンボンショコラを作る際は、ビターチョコレートよりも油脂量の少ないミルクチョコレートを使用します。
ミルクチョコレートを使用することで、油脂移行を起きにくくすることができ、かつ色の明るいミルクチョコレートでコーティングすれば、表面が白っぽくなっても目立たなくすることができます。
このミルクチョコレートを使ったプラリネのボンボンショコラ最大の欠点は、「甘すぎる」ことです。
ミルクチョコレートはビターチョコレートよりも砂糖の量が多い分、それだけ甘くなってしまいます。
「ひとくち -HITOKUCHI-」では、毎日食べても飽きないチョコレートをお届けするために、作るのがとても難しいビターチョコレートを使ったプラリネのボンボンショコラを開発しました。
6. ボンボンショコラがつやつやな理由は?
最後に、ボンボンショコラと言えば、パティシエ ショコラティエのお店のショーケースに宝石のように並ぶことが多いチョコレートです。
ボンボンショコラは表面がつやつやで光沢があり、とても美しい見た目をしています。
このつやつやしたボンボンショコラはどのように生み出されるのでしょうか?
表面のつやつやは、テンパリングという職人技によって作られます。
テンパリングとは、チョコレートの温度を高めて溶かしたあと、一度冷却し、再度加熱して温度の調整を行う工程のことです。
テンパリングを行うことで、チョコレートに含まれる結晶を整え、表面をつやつやの見た目にするだけでなく、口どけも良くすることができるのです。
7. 植物油脂不使用で最高のくちどけ。おすすめのプラリネチョコレート・ナッツチョコレート
ここまでお読みいただき、美味しいチョコレートが食べたくなったら、ぜひ「ひとくち -HITOKUCHI-」のプラリネチョコレート・ナッツチョコレートをお試し下さい。
”高級チョコレートを日常に”をコンセプトに、「ひとくち食べた瞬間、おすそわけしたくなる、最高の口どけ」のチョコレートをお届けしています。