中華料理や香りづけに使われることが多いごま油。ごま油の主な原材料は白ごま、黒ごま、金ごまで、酸化しにくい特徴があります。ごま油には、からだに良いとされている栄養素が豊富と言われています。
「そうは言っても、油なのに本当にからだにとって良いものが含まれているの?」
「ごま油のカロリーってだいたいどのくらい?」
そこで今回は、
- ごま油に含まれている栄養素と期待できる効果とは?
- ごま油の製法とは?
- おすすめのごま油
について詳しく解説していきます。
このページを読んで、あなたもいつもの食事においしくごま油を取り入れてみましょう!
目次
1. ごま油に含まれる5つの栄養素と期待できる効果とは?
ごま油には、以下の5つの栄養成分が含まれています。
- オレイン酸(オメガ9系脂肪酸)
- リノール酸(オメガ6系脂肪酸)
- α‐リノレン酸(オメガ3系脂肪酸)
- ゴマリグナン
- ビタミンE
オレイン酸、リノール酸、α‐リノレン酸は不飽和脂肪酸です。3つの不飽和脂肪酸のうち、リノール酸とα‐リノレン酸はからだの中で作られない栄養素のため、食事から摂る必要がある「必須脂肪酸」とされています。適量のごま油を食事に加えるだけで、必須脂肪酸を摂れるのです!
それでは、栄養素ごとに期待できる効果について解説します。
オレイン酸
ごま油に約60%含まれているオレイン酸。
オレイン酸には、善玉コレステロールの値は変えずに悪玉コレステロールの値のみを下げるはたらきがあります。
加えて、オレイン酸にはからだのさびつきを予防してくれる抗酸化作用があります。がんや動脈硬化などの生活習慣病の予防、美肌効果などが期待できます。
リノール酸
ごま油に約20%含まれているリノール酸。
リノール酸は、血中のコレステロール値を下げて血管が硬く弱くなるのを防ぐはたらきがあるため、心臓病の予防や血管の健康を保つ効果が期待できます。
α‐リノレン酸
ごま油に約10%含まれているα‐リノレン酸。
α‐リノレン酸には、血液をさらさらにして血流を良くするはたらきがあるため、動脈硬化や高血圧、心筋梗塞などの予防に効果が期待できます。
不飽和脂肪酸には便通をよくする効果が期待できる
オレイン酸などの不飽和脂肪酸には、腸を刺激して腸の動きを良くしてくれるはたらきがあります。不飽和脂肪酸による滑腸作用は、お通じを良くする効果が期待できます。
ダイエット中の方にもうれしい効果ですね。
ゴマリグナン
ポリフェノールの仲間であるゴマリグナンは、ごまに含まれる特有の微量成分で、ごま油の成分のうち約1%含まれています。
ゴマリグナンには、セサミンやセサモリン、セサミノールなどが含まれており、強い抗酸化作用があります。
加えて、セサミンには血圧の急上昇を抑えるはたらきや肝機能を高めるはたらきがあります。
ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。
ビタミンEは、血管を広げるはたらきもあるので、血管の健康を保つ効果やからだの老化を防ぐ効果が期待できるでしょう。
ごまには「白ごま、黒ごま、金ごま」の種類があります。それぞれの種類を解説している記事 >>白ごま、黒ごま、金ごまとは?セサミン栄養効果効能、ペースト 練りごまなどおすすめのごまの食べ方をご紹介 も合わせてぜひお読み下さい。
2. ごま油の大さじ1杯、小さじ1杯あたりのカロリーとは?
ダイエットをしている方や健康に気を遣っている方にとって気になるのが、ごま油のカロリーではないでしょうか。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によりますと、ごま油のカロリーは可食部100gあたり890kcalです。大さじ1杯(12g)でおよそ107kcal、小さじ1杯(4g)でおよそ36kcalです。
ごま油には、良質な脂質が含まれていますが高カロリーな食品でもあるため、摂りすぎには注意しましょう。
1日に使用してもよい油の目安量とは?
私たちが1日あたり摂取してもいい油の量を求めるのには、「目標量」と「推定エネルギー必要量」を使って算出します。
脂質には、私たちが生活習慣病の発病や重症化してしまうことを防ぐために設定された「目標量」という食事摂取基準があります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によりますと、1~75歳以上の方の1日における脂質の摂取目標量は推定エネルギー必要量(一日当たりの総カロリー)の20~30%です。妊娠中の方や授乳婦の方も同じ目標量です。
また、身体活動レベルによって1日当たりの推定エネルギー必要量がわかります。身体活動レベルは、以下の3段階に区分されています。
身体活動レベル | 活動内容 |
レベルⅠ(低い) | 1日を主に座って過ごす方。あまり体を動かさない環境の方。 |
レベルⅡ(普通) | 座り仕事、かつ立ち仕事や通勤、接客、家事、買い物での歩行などの軽度な運動もしている方。 |
レベルⅢ(高い) | 移動や立ち仕事など、仕事で体をよく使う方。もしくはスポーツなど活発な運動習慣を持っている方。 |
ここで、1日の油の使用量を算出するために、活動レベルⅡ(普通)に属する30~49歳の男女を例に挙げます。
男性 | 女性 | |
推定エネルギー必要量 | 2700kcal | 2050kcal |
脂質目標量:20~30%(中央値) | 60~90g (75g) | 45~68g (56g) |
調理油(見える油)の使用量 | 12~18g (大さじ1~1杯半) | 9~13.6g (小さじ3杯弱) |
①÷9(1gあたりの脂質のエネルギー)=脂質目標量
加えて、油には、見える油と見えない油があります。
- 見える油:マーガリンやバター、植物油など。
- 見えない油:お肉やお菓子などの食品に混ざっている油。
私たちは、一日の脂質摂取量のうち8割が「見えない油」と言われています。
一日に使用できる「見える油」の目安は年齢や活動レベルで細かく異なりますが、30~49歳で活動レベルⅡに属する方であれば、男性はごま油大さじ1~1杯半、女性であればごま油小さじ3杯を目安にするとよいでしょう。
3. ごま油の製法とは?
ごま油は、ごまを焙煎して香りや色味をつけてから搾油して作られます。
ごま油が作られる工程においてポイントとなるのが、「搾油」という工程です。ごま油の搾油方法は、圧搾法と抽出法の2つがあります。
【一番絞り】圧搾法とは?
圧搾法とは、ごまにひたすら「圧力」をかけ続けてすりつぶし、じっくりと油を絞りだす絞り方です。
圧搾法のみで搾油したごま油を「一番絞り」と言い、ごま本来の旨味やコクがぎゅっと詰まった上質なごま油であることを意味します。
【二番絞り・三番絞り】抽出法とは?
抽出法とは、圧搾法で絞ったカスに「化学溶剤」と呼ばれる化学のチカラを用いて効率よくごま油を抽出する方法です。
「二番絞り」と言われているごま油が、化学溶剤を用いて搾油したごま油です。
二番絞りで絞ったカスをさらに絞って抽出したごま油を「三番絞り」と呼びます。
化学のチカラを借りて効率よく絞った二番絞り、三番絞りのごま油は圧搾法と比べると油分が多くなるため、ごま油中の栄養素が低くなってしまいます。
健康に気を遣われている方やダイエット中の方、ごま油の栄養素を普段の食事に取り入れたい!と考えているあなたには、「一番搾り」と表示されているごま油を選ぶことをおすすめします。
4. おすすめの「一番搾り」ごま油をご紹介!
ごま本来の旨味やコクがぎゅっと詰まった「一番搾り」のごま油の中でも、特におすすめなのが以下の2つのごま油です。
- マルホン胡麻油「太白胡麻油」
- 和田萬「金の雫〈金ごま油〉」
マルホン胡麻油「太白胡麻油」
竹本油脂のブランドであるマルホン胡麻油。太白ごま油とは、原材料であるごまを焙煎せずに圧搾法で抽出されたごま油です。いわば、太白ごま油は、生ごまをそのまま絞る「生絞りのごま油」であり、「一番搾り」のごま油です。
未焙煎の太白ごま油は、ごま油特有の香ばしい香りがほとんどなく、透明に近い色味が特徴です。豊かなごま本来の旨味とコクがあり、雑味のないすっきりとしたマイルドな味わいで、サラダなど普段使いだけでなく、お菓子作りにも使えるごま油です。
古代中国の言葉で一番明るい明け方の金星を意味する「太白」という言葉の意味の通り、上質でワンランク上の一番搾りのごま油であると言えるでしょう。
内容量 | 150g |
原材料 | 食用ごま油 |
賞味期限 | 1年半 |
和田萬 金の雫〈金ごま油〉
金ごまは、白ごまなどの比べると香りが高いのが特徴です。
金の雫は、良質な金ごまから華やかな香りとごま本来の濃厚な旨味を圧搾法でじっくり抽出した「一番絞り」のごま油です。
金の雫は、白ごまや黒ごまよりもワンランク上の金ごまがもつ芳醇な香りや旨味を堪能できるごま油です。
内容量 | 180g |
原材料 | 食用植物油脂(金ごま) |
賞味期限 | 1年 |
ごま油を食事に取り入れておいしく栄養を摂りましょう!ごま油が使われたチョコレートもおすすめです
白ごまが主な原材料であるごま油。
ごま油に含まれる栄養素は、3種類の不飽和脂肪酸やポリフェノール、ビタミンでしたね。
ごま油に含まれている栄養素に期待できる効果は、以下の通りです。
• 様々な生活習慣病の予防
• 血管や肌の老化予防
• お通じ改善
ごま油を選ぶときは、ごまをじっくりすりつぶして圧搾して作られた「一番搾絞り」のごま油を選びましょう。
加えて、私たち「ひとくち -HITOKUCHI-」チョコレートでは、抗酸化作用のあるポリフェノールとごま油の栄養素を効率よく摂れる、オーガニックごまのプラリネチョコレートを取り扱っております。日々の休憩時間に取り入れてみてはいかがでしょうか。
▼カカオの効果効能とは?チョコレートの原料であるカカオの秘密と効果を知ろう!▼